「博物館」に対するけいりう堂の考え方について

 けいりう堂は博物館の厳密な定義にはあまりこだわっていません。いささか自己撞着的ではありますが、博物館(あるいは博物館類似施設、博物館相当施設)と呼ばれる機関に共通する機能や事業を挙げ、その共通性に通じるものが多ければ、とりあえずそれを「博物館」と考えてしまうことにします。このような評価は定量的でないし、博物館を取り巻く状況が変わっていくに従ってその評価自体も変わってしまうということは言うまでもありません。実はそのような評価を評点によって数値化したり、「この機関は博物館と言えるけれどあれは違う」と判別するような努力も、現在のところするつもりがありません。
 たとえば多くの文化遺産を収蔵物として抱えている機関があったとしても、それを展示する多くの機会を持つ努力をしないならば、当HPではそれを博物館とは考えないことにします。
 逆にその収蔵物を積極的に展示し、保存収集に努め、たゆまぬ調査研究を行なうならば、その収蔵物が耳垢のように普通の意味で価値の無いものであっても、それを行なう機関は立派な「耳垢博物館」と呼べるだろうと考えるわけです。
 また収蔵物が多く、展示の機会も多く設けており、保存収集調査研究が盛んに行なわれていたとしても、入館料で利益を得ることを主目的とする機関は、博物館と呼ぶことはできない、と考えるのです。ついでに書くと、博物館の入館料がどのように使われているかという情報は積極的に公開されるべきである、と思います。